顕在意識と潜在意識
大きく意識を変える必要がある時、「意識改革」という言葉を使う事があります。
私達は大きく分けて2つ意識から意思決定をしています。まずはスピリット(=魂・心)、そして、マインド(=思考)によって日々行動を起こしています。
そして、心理学では、顕在意識 (意識) と潜在意識 (無意識) という言い方をするのが一般的で、意識改革をする場合、顕在意識ではなく、潜在意識を変える必要があると考えられています。
顕在意識 (表層意識 : 自覚できる意識)
理論的思考、願望、悩み、理性、知性、判断力など。→マインド(思考)
潜在意識 (無意識 : 自覚できない意識)
本能的欲求、記憶、感情、感覚、直感、記憶など。→スピリット(魂・ハート)
では、なぜ潜在意識を変える必要があるのでしょうか。
例えば、生まれたての赤ちゃんは、記憶や経験値がない状態です。スピリット(本能)で生命維持のために臓器を動かし始めます。五感(味覚、聴覚、嗅覚、視覚、触覚)が発達し、様々な体感を覚え、不愉快や恐怖と感じれば泣き、嬉しかったり楽しかったりすれば笑います。幼少期になれば遊ぶことや学ぶことに夢中になり、その中から失敗や成功などの経験をスピリットに記録し積み重ねると同時に、親や兄弟、教師などからの教えによりマインド(思考)が形成されていきます。失敗も成功もその時の感情も全て潜在意識に記臆されます。その記臆を元に顕在意識で判断しているのです。
影響される「制限」
私達人間は、地球に生まれ多くの制限の中で生きています。同じ人間でも、生まれ育った国や教育によっても全く同じ経験と思考の持ち主はいないでしょう。
- こうあるべき
- こうしなければならない
- 男性だから、女性だから
- 長男だから、長女だから
- 家系的に
- 何歳なのに
- 常識的に
などなど。挙げればきりがない制限だらけの世界を私達は作ってきました。両親や教育、友人を通じて「これは良い事で、これは悪い事」「正しいことをしなさい、間違えたことはしてはいけない」〜だから、〜すべき、〜あるべき、という社会生活を送る上で必要な常識や道徳、倫理観などを持つべきと育てられてきました。
もちろん、多数をまとめるには、制限というルールは便利です。愛あるルールならば争いが起こることもないかもしれませんね。
影響される「二元論」
この地球において私達が支配されているものに二元論があります。
- プラス or マイナス
- 陰 or 陽
- 光 or 闇
- 正 or 誤
- 善 or 悪
- 勝ち or 負け
- 高い or 低い
- 男 or 女
- 大人 or 子供
- 金持ち or 貧乏
- ポジティブ or ネガティブ
こちらも挙げればきりがありませんが、二元論の中に自己基準があり、どちらに偏っているのかを考えてしまいます。例えば、「よし」とされる要素に属している人と自身を比較し、上か下かを評価し、優越感や劣等感を覚えます。もしも「よし」としない要素に自身が属してしまった時、ネガティブに捉え自己否定を感じる事も。誰しも経験あるのではないでしょうか。自己否定する必要なんてないのに。
私の記憶の中にも沢山の経験があります。小学生の時、先生から「この問題わかる人」と問われ、自信をもって答えたけれど、思いっきり間違えクラス全員に笑われ、その日一日中落ち込んだものです。(笑) 例えば、政府から発表される指標で平均所得というものがありますが、自分はそれより低いか、高いかなど考え、平均値より上か下かのレッテルを貼ってしまったり。勝ち負け、貧富、男女など差別に発展します。どうも私達は二元論に当てはめ判断してしまう癖がついているように思います。
制限を外す
「制限の中で生きることが正解であり、安心する」という人もいます。もちろん、それもその人の生き方ですし、思う存分、制限を楽しんでいただきたいと思います。しかし、私達が作った制限という社会システムの中では生きにくい人も存在します。勝ち負けの勝負が不得意な人も存在します。社交的な立ち振る舞いが苦手で社会人として不適格というレッテルを感じている人も存在します。制限を外し、スピリットのままに生きる思考にシフトすることで、身も心も自然体=本来の自分であり、個性を活かす事で、求める人と出逢い、深い豊かさを感じられる人も多く存在するのです。この制限に対し違和感がある方は是非試していただきたいと思います。
スピリットでは「こうなりたい」「こんなことしたい」って欲があるのに、マインドで「でも」「無理でしょ」「お金がない」「時間がない」と言い訳という技を使って否定しちゃうんですよね。その逆もあります。マインドで「こうしたい」と思っても、過去の経験からスピリットが「どうせ無理でしょ」という意識が根付いてしまっていたら、実現はできないのです。
スピリット(=魂・心)で感じた事を実行に移すためには、マインド(=思考)の働きが欠かせません。マインドで考えた事はスピリット、心に完全に落とし込まなければなりません。信じ込むに近いでしょうか。
潜在意識の中にはポジティブな感情やネガティブな感情も存在するのですが、潜在意識には顕在意識を遥かに超える可能性が秘めています。なので、潜在意識を変える事が重要なのです。
ダイエットで例えましょう。「5キロ痩せたいな」と思います。でも潜在意識で「去年もやったけど見事に失敗した」という記臆が残っていると、開始するも途中で挫折しまうパターンに陥ります。ここでは、過去の記憶に上書き保存する必要があります。「過去の失敗は絶対に繰り返さない。今回は必ず目標体重を達成する。前から欲しかった水着を買ってハワイに必ず行く」と過去を認めつつも、具体的に成功イメージを強く強く持つ事が必要です。その後に登場するのが、顕在意識。過去の失敗を理論的に分析し、成功するためのプログラムを組み立て、顕在意識と潜在意識がタッグを組み実行に繋げるのです。
成果が出せない自己啓発
私はこれまで、社会の企業という組織に属し、社会通念の中、キャリアアップを目指し、自己啓発の書籍を読み(あさり)、セミナーに参加したものです。「成功」「勝ち組、負け組」なんて言葉に違和感を感じつつも、一生懸命に上を目指したものです。(上ってなんだという話ですが)
どんなに自己啓発を学び、実践してみても超えられない壁が存在しました。それは何なのか。
- 言い訳という得意技を捨てられなかった (時間を理由にしていた)
- 自分軸で生きていなかった (他者の影響と評価が軸になっていた)
- 自分を信じきれていなかった (どこかで自己否定していた)
世の中で俗に言う成功者と言われる人(きっと、定義は人それぞれかもしれません。事業成功者、仕事もプライベートも充実し、高額収入で、贅沢な暮らしをしている人の事を差していると推測されますが)って、実は、スピリットで生きている人が多いんですよね。自分にとって必要か不必要な事か取捨選択し、自己投資し、時間を最大限活用し、必要な事だけに没頭する。自分が本当にやりたいと思う事を誰に反対されようが、何か問題が生じようが、自分自身のスピリットの声に耳を傾け、本心を信じ貫いている自分軸にブレがない人。そのパッション(情熱)が、結果、人に豊かさを与え、人脈やお金を含む豊かさを得ているのだと感じるのです。
スピリットに生きたスティーブ・ジョブズ氏
君たちの時間は限られている。
だから、他人の人生を生きるような無駄なことはするな。
他人の考えにしばられたドグマ(教義)に惑わされてはいけない。
他人の意見ではなく、自分の中の声を耳を澄ませなさい。
そして、最も大切なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。
自分の本当になりたい姿を知っているのは、自分の心と直感なのだから。
Your time is limited, so don’t waste it living someone else’s life. Don’t be trapped by dogma – which is living with the results of other people’s thinking. Don’t let the noise of others’opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become.スティーブ・ジョブズ氏
2005年 スタンフォード大学 卒業式辞の一部より
スピリットで生きた方ですよね。
スティーブ・ジョブズ氏の実際のスピーチはYouTubeで検索すると沢山出てきます。お時間がある時に是非ご視聴下さい。また、多くの書籍も出版されています。
自分の人生は、自分でデザインする
スピリット、本心で生きるということは、自分でいるという事。自分は自分であるべきなのに、いつの間にか、自分という運転席に親が居て運転してたり、パートナー、友人、上司、同僚が運転していたり。それでは自分軸ではなく、他人軸で生きている事になりますよね。
また、本心で生ききろと言われると、常にポジティブ思考で頑張らないと考えてしまう人もいるかもしれません。でも、時には進めない状況に追い込まれたり、進めない自分が居ることもありますよね。それは「ダメ」な事ではないのです。その「ダメ」が制限なのです。ちゃんと今を把握し、進めない自分が居るということを認めてあげて下さい。そこで得られる事もある大切なタイミングなのかもしれません。「ちょっとストップ! 休憩」「思考が先行しすぎて、本心とズレてるよ」という直感によるシグナルかもしれません。自分と向き合い本心で生きる事がスピリットで生きるという事です。どんな自分も肯定してあげて下さい。肯定し、心が落ち着けば自分を取り戻せます。心が元気になれば、自然と次にやりたいと思うことが湧いてくるものです。
しっかり、自分のスピリットを感じ、生き始めると、エネルギーの使い方が変わります。自分の意思や思考と異なる人と共有する時間とエネルギーに無駄を感じます。これは悪いことではなく必要な事です。自分に必要な事だけの情報で十分になります。他人の色々は不要な情報であり、情報の断捨離を積極的にするようになります。小さな事から「これ」と思える事を積み重ねる事で心が満たされて豊かな表情へ変化します。心が豊かであれば、他者にも自然と優しくなれます。交友関係が良好になります。自分に合う波動の人が集まってきます。信頼を得られるようになります。これまでにないチャンスに恵まれるようになります。心のありようで、人生は豊かな日々へシフトしていきます。
習慣づいてしまった他人の目や意見を気にする事なく、他人に振り回される事なく、自己のネガティブな要因を取り外していく事って容易な事ではありませんが、マインド(思考)は、他人のあれこれを考えるものではなく、自己否定に使うのではなく、自己肯定し、自己実現のために使ってあげませんか?
どのような生き方をするかは自分次第ですが、他人の目や意見を気にせず、振り回されず、自分の本心で生きたいと望む人は是非スピリットで生きるという考え方を知っていただきたいと思います。スピリットで生きるというベースは宇宙意識というスピリチュアル思考から来ています。
この思考が、すっと腑に落ちた時、私達は物事を難しく難しくしてきた事に気づき、本当はとてもシンプルであった事に気づきます。
一番愛すべきは自分です。自分が満たされなければ、他の誰も満たす事はできません。いえ、他の誰かを満たそうとしなくて良いのです。ただ、あなたが満たされていれば、周りは自然と満たされてゆくものです。
自分の人生は、自分でデザインしましょう。